5.迷宮~地下室

もう一つの地下室~地下シェルターという選択肢

防災シェルター

前項で地下室の種類を挙げておきながら、いきなりそのどれでもないお話をしたい。

そう、シェルターである。

不穏な隣国様の活動で、「地下シェルター」の必要性が頭をよぎったことがある人は少なくないのではないか。 東京都がアザブジュバンにシェルター作るみたいな話もありました。
(人口密度を考えても、通勤者のことを考えても場所がおかしいけど) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240125/k10014334001000.html

核爆弾を想定すると2週間引きこもり生活が必要らしい。
https://ancarshelter.jp/qa2/
意外に短いような気もするが、あのトキは2週間耐えたのだろうか。

アンカーシェルターさん凄いホームページの充実ぶり。ただ防災シェルターが主で、居住スペースが従だと思われる。ここでご紹介するのはあくまで居住スペースとしての地下シェルターを売り出しているサンヨーホームズさんだ。

サンヨーホームズさんの地下シェルター

商品名はマルチシェルター(MultiShelter)。ここで語るより、ホームページを見ていただいた方が早い。

https://www.sanyohomes.co.jp/house/m-shelter/

完全地下室にしろ、半地下室にしろ、おそらく深基礎にしろ、従来からの地下室は、地面を掘ったうえで周囲の土が流れてこないように土留(どどめ)をして空間を確保する。
しかし、このMultiShelterではこのイメージ絵を見る限り土留をしていないんじゃないか?その代わりに鋼鉄の箱を直接地下に設置しているように見える。

サンヨーホームズさんホームページより

サンヨーホームズさんホームページより

この施工法で考えられるメリットを妄想するに、

  • 土留にかかる費用と工期の削減
  • 量産できるようになれば建物(箱)自体も価格を抑えられる。プレハブ化だ
  • 私がめちゃくちゃ悩んだ施工会社の技術力のばらつき(の恐れ)から解放された安定品質
  • 施工日の天候によりコンクリートの出来不出来が大きく変わる運不運
  • コンクリートが乾くまでの年単位での湿気の悩みから解放

といったところか。もっとあるかもしれない。革命的だ。
工期メリットはわかりやすく、我が家の半地下で2~3か月かかりそうだが、MultiShelterでは2週間という触れ込みだ。
https://newswitch.jp/p/24654

実際、サンヨーホームズさんには接触を図らせていただき、丁寧にご対応いただいた。

残念ながら現時点では「価格」による差別化は図られていない(できていない)ようで、検討中の3社とその点で横並び比較することはできなかった。 (地下だけでなく上物も含めた価格感。ただ結果的に落ち着いた価格を考えると、選択肢になったのかもしれない)

おそらく価格がネックで、まだそこまで普及しているわけではない。特殊な工法なので、自治体との調整も必要なようだ。このあたり普及につれて加速度的に変わっていくのだとは思うが、少し時間がかかるようにも感じた。

シェルター方式~今後への期待

それでも地下シェルターはきっともっと普及していくと思う。その時、上記に掲げたメリットは大きい。

特にサンヨーホームズさんのMulti-Shelterは、防災用ではなく、居住スペースとしての快適性を追求しているので、当たり前だが地下室本来のメリットが享受できる。完全地下でもドライエリア付きでもOKとのこと。

おうちづくりはツーバイフォー工法をきっかけに工場生産=量産化が進んで、在来工法の職人さん依存から劇的に変わったとされる。
同様に、地下室が量産化されるならこのシェルター埋め込み方式一択なんじゃないかと思った。そうなれば価格面も下がり、家を建てるならシェルターは当たり前、の時代がくるのかもしれない。おそらくその背景にあるのは政情不安というところが悲しいが。

今後に期待である。

※なお、地下シェルター方式にはもう少し裏話があるが、これは別のところで。

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