施主にしか判断できないこと
前項の続き。大事にしていたことのもう一つが「トータルで考える」こと。それはつまりこんなことだ。
- 初期費とメンテナンス費のトータルコスト
- 本体建築費と外構費のトータルコスト
- 性能と費用のバランス
- 追加費用と補助金の獲得
- 店舗の売上拡大といった見えない経済合理性
Fチームさんにも意識してほしいと何度もお伝えしてはいるが、けど、最終的にこの判断こそが施主にしかできないことじゃないかと思う。
この先何十年も住む施主にしか責任の取りようがないことだ。
建築のプロにしかわからないトータルもある
素人には建築工程そのものがまったく分からない。ちょっとした(つもりの)要望が、仕入先や工場から現場までを巻き込んでいく。
特殊な機材の必要性や、施工プレイヤー追加が思いもよらない工期増加につながるかもしれない。ちょっとした色合いのバリエーションのこだわりが、現場のミスを生みやすくなるかもしれない。
そういったことに素人が想像すらできないということを常に頭に入れておかないといけないと思う。 流行りのように取り上げられている施主支給だって慎重じゃないといけない。自分でDIYやるならいいけど、そんな簡単じゃないですよと窘められた。その通りだと思った。
要求を伝えるとき、提案を受けるとき、常に「それが建築プロジェクト全体に影響することがないか」「トータルで見たときに、今はよくても将来マイナスになる点はないか」を聞くようにしたい。
あとは、建ててみないとわかならい、だ。
楽しむしかない。楽しみだ。